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プレイバックテキストVol.1 神出設計ecoaハウス vs クーニンズ

軟式野球のMLBドリームカップ2018は24日、明治神宮野球場で準決勝が行われ、第1試合は北海道地区代表の神出設計ecoaハウス(札幌)が、関東地区代表のクーニンズ(神奈川)に1-0でサヨナラ勝ちし、初めて決勝に進出した。


試合は1点を争う緊迫した投手戦となり、神出設計・宮田隼、クーニンズ・前沢力の両先発右腕が、気迫のこもった投球を披露した。 最初に先制機を迎えたのがクーニンズで、4回1死から2番・山口大輔が左越え二塁打を放つと、続く上野正義の遊ゴロの間に三進。しかし4番・前沢が一ゴロに倒れてチャンスを生かせなかった。
一方の神出設計は思ったように前沢を攻略できず、1回と4回にそれぞれ安打で2人が出塁しただけで、6回まで二塁すら踏めない劣勢が続いていた。



クーニンズは6回の拙攻が悔やまれるだろう。この回先頭の7番・関口裕貴が左前打で出塁し、続く佐藤高明が遊撃への内野安打、さらに工藤吏旺も右前打で無死満塁と絶好の得点チャンスをつくった。
ところが山口の打席で三塁走者の関口が飛び出し、タッチアウト。この間に佐藤が三進したが、再び飛び出して挟殺。エンドランの連続失敗か、スクイズのサインを打者が見落としたのか、あるいは2人の三塁走者がサインを見間違えたのか……。結局山口は遊ゴロに打ち取られ、願ってもない好機をつぶしてしまった。


クーニンズは最終7回表にも二塁まで走者を進めたものの、後続が倒れ1点を奪うことができなかった。
それまで快音が全く聞かれなかった神出設計だったが、最後の最後でチャンスが到来した。7回裏に先頭の3番・中村亮介が中前打で出塁し、川野拓人が投前へ送りバントを成功させた。この後、死球と左前打で1死満塁とし、前の打席で良い当たりの中堅飛を放っていた7番の前田健登が、初球のストレートを中前に弾き返し、投手戦にピリオドを打つ劇的なサヨナラ勝ちを収めた。


殊勲のサヨナラ打を放った24歳の前田三塁手は、「前の打席でいい感触で振れていたので、ストライクが来たら初球から思い切っていこうと決めていました。手応え十分でした」と満面の笑顔で喜んだ。
99という大きな背番号は目立つのが理由で自ら決めた。名前がマエダケントだけに、小学生からのニックネームはずっと『マエケン』だという。


クーニンズ・前沢投手の印象について尋ねると、「これまで対戦してきた中でもかなりいいピッチャーでした。点を取るのが相当難しい投手だったので、少ないチャンスに得点できて良かった」と振り返った。
2016年の第47回明治神宮野球大会大学の部で、東海大北海道キャンパスのメンバーとして出場し、明治神宮野球場でのプレー経験はあったそうだ。当時のチームメートには、プロ野球横浜DeNAベイスターズの水野滉也投手がいた。
クーニンズの28歳の前田は、最速147キロを記録した豪速球に加え、スライダーの一種であるスラッターを駆使して神出設計に的を絞らせなかった。7回にこそ3安打を集中されたものの、6奪三振、1死球という好投を見せた。


出場チームはMLB公認ユニホームを着用して臨み、神出設計はニューヨーク・ヤンキース、クーニンズはシカゴ・カブスだった。
大会はまず4月から全国53ブロックで予選を行った後、全国8地区での代表決定トーナメントを実施。さらに東日本(北海道-東北、北信越-関東)と西日本(東海-関西、中国・四国-九州・沖縄)で代表各2チームを決定し、4チームによる全国決勝トーナメントを行う長丁場の大会だった。ブロック予選には712チームが参加した。

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